6月~9月にかけての夏場は、暑くジメジメした環境で細菌が繁殖しやすく、体の抵抗力も低下するため、食中毒になりやすい時期です。特に高齢者は、体力・抵抗力が落ちているため、食中毒にかかると重症化しやすくなります。食中毒にならないよう、食品の扱いなどには十分に注意しましょう。
ではここで、食中毒○×クイズです
問題1
食料品の購入後は、できるだけ早く帰宅するのがよい
問題2
生の肉・魚は、他の食品と分けて保存するとよい
問題3
冷凍食品は、自然解凍させると食中毒菌が繁殖しにくくなる
問題4
生の肉・魚に使ったまな板・包丁を、そのまま他の食材に使っても問題ない
問題5
食品を加熱調理する際は、中心まで火を通すことが必要
問題6
作った料理は、長時間そのままにせず、すぐに食べた方がよい
問題7
食中毒になった場合、できるだけ水分を取らないようにしなければならない
問題8
食中毒になったら、下痢止めの薬を飲んで症状を早く止めることが大切である
問題9
小まめな手洗いは、食中毒予防に効果的である
答え
問題1 ○
生鮮食品などは、長時間放置すると菌が繁殖して傷み始めるので、食品は買い物の最後に購入し、できるだけ早く帰宅するようにする
問題2 ○
生の肉・魚は、他の食品に汁などがかからないよう、袋や容器に分けて保存する必要がある
問題3 ×
冷凍食品を室温で解凍すると、食中毒菌が増殖する場合がある。電子レンジなどで解凍し、解凍後すぐに調理することが大切である
問題4 ×
生の肉・魚に使った調理器具は、他の食材に使う前に洗浄・消毒しなければならない。もしくは食材別に複数の調理器具を使い分けるのがよい
問題5 ○
食品を加熱調理する際は、細菌を死滅させるために、中心部の温度が75℃以上で90秒以上加熱することが大切である
問題6 ○
料理を長時間室温で放置しておくと、細菌がついたり増殖する場合があるため、作った料理はすぐに食べるようにする
問題7 ×
食中毒による下痢や嘔吐は、脱水症状を引き起こしやすい。脱水症を起こさないように、湯冷ましやお茶などで水分補給をする必要がある
問題8 ×
下痢・嘔吐の症状は、体内の細菌・ウイルスを体外に排出する働きがある。下痢止めなどを飲むと、細菌・ウイルスが体内に残る場合があるため、自己判断で薬を飲まず、医師に相談するとよい
問題9 ○
調理前後、食前食後等、小まめに手洗いをすることで細菌・ウイルスを手から食べ物に付けないようにし、食中毒発生を防ぐことができる
食中毒予防の6つのポイント
① 食材は鮮度が命
・生鮮食品は賞味期限をチェックし、新鮮なものを選ぶ
・肉・魚などはほかの食材と分けてビニール袋などに入れる
・帰宅までの間は保冷剤(氷)と一緒に入れる
② 買い物後はすぐに冷蔵庫へ
・食品を持ち帰ったらすぐに冷蔵庫へ入れる
・冷蔵庫に詰め込み過ぎない
(冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃に維持)
③ 解凍は冷蔵庫で
④ 生ごみはすぐに捨てる
・冷凍食品を解凍するときは、常温ではなく冷蔵庫で
・生ごみはまな板の上に放置せず、すぐに捨てる
⑤ 食材は十分加熱する
・調理前にしっかりと手を洗う
・まな板は使う前に洗浄・消毒しておく
・盛り付けには、洗浄・消毒した食器を使う
・煮る時、焼く時は、食材を十分に加熱する(中心部分の温度は75℃以上)
⑥ 食事はすぐに食べる
・食事の前にはしっかりと手を洗う
・長時間室内に放置せず、すぐに食べる
⑦ 食品は残さない
・時間が経ち過ぎたり、少しでも異臭がする場合は捨てる
・小分けにして、保存する
・食品を温め直すときは十分に加熱する(中心部分の温度は75℃以上)
食事・調理前はしっかりと手洗いをしましょう
① 石鹸を付け、手のひらをこすり合わせてよく洗う
② 手の甲に泡を伸ばすように洗う
③ 指先。爪の間をこすりつけるようにしてよく洗う
④ 指を組むように指の間をこすり洗う
⑤ 親指を手のひらでねじり洗いし、手首も洗う
⑥ 流水ですすぎ、ペーパータオルで拭き取る
・石鹸は固形のものではなく、プッシュ式の液体のものを使いましょう
・市販のアルコール消毒液などを使用するとより効果的です
(O-157ウイルスに効果的です。ノロウイルスには効果がありません)
・指先、爪の間、指と指の間、親指の付け根、手首は洗い残しやすい部分なので、特に注意して洗いましょう。
家庭でできる食中毒の応急処置
・安全な体位を取る
安静にし、嘔吐による呼吸困難・肺炎を防ぐため、体を横向きにするなど、嘔吐しやすい体位を取る(あお向けは、嘔吐物をのどに詰まらせる恐れがあるので避ける)
・薬の服用に注意
下痢の症状がある場合は、食中毒の原因となる細菌を体外に奈移出する働きがあるため、自己判断で下痢止めの薬などを飲まず、医師の指示に従う
・小まめな水分補給
常温の湯冷まし、お茶などで小まめに水分補給をし、下痢(水様の便)がおさまってきたら、おかゆやスープなどを食べる
・食べるものに注意
食中毒の時は、以下の食べ物は避ける
・乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)
・味付けの濃いもの
・脂肪分・糖分の高いもの
・カフェイン飲料(コ―ヒー、炭酸飲料など)
・便や嘔吐物をしっかり処理
便や嘔吐物の処理をする際は、使い捨てのゴム手袋などを使う。ペーパータオルなどで汚れを拭き取り、消毒液で浸した後、さらに水拭きする。使用後のゴム手袋などは、袋に密閉してすぐに捨てる
・二次感染を防ぐ
家族が食中毒になった場合、洗濯物や入浴を別にし、小まめな手洗いを徹底することで、二次感染を防ぐ
ただし、
・下痢が1日10回以上起こる
・意識がなく、ぐったりしている
・ふらつき・めまいがある
・血便がある
・嘔吐が止まらず、水を飲めない
このような症状が見られる場合は、早急な治療が必要となります。ただちに医療機関で、医師の診察を受けましょう。